コロンビアコーヒーの基礎知識と特徴!美味しく飲む4つのコツとは?

コーヒー生産量世界第3位を誇るコーヒー生産大国コロンビア。
国の重要な産業であるコーヒー豆の品質の維持に力を注いでいるため味に定評があります。
高級コーヒー豆のエメラルドマウンテンで有名なコロンビアコーヒーの味は産地によって違いはありますが、ほどよい酸味とまろやかなコクと甘みのあるマイルドな味わいが特徴です。
今回は、コロンビアコーヒーの基礎知識や特徴を「いえじかん」がまとめました。
また、コロンビアコーヒーを一層楽しめる淹れ方も紹介します。
「コロンビアコーヒー」にまつわる7つの基礎知識
コロンビアコーヒーといえば缶コーヒーでお馴染みの「エメラルドマウンテン」を思いつく人も多いのではないでしょうか。
エメラルドマウンテンに注目が集まりやすいコロンビアコーヒーですが、それ以外にも品質が高いコーヒー豆が世界に向けて大量に出荷されているのです。
ここでは、コロンビアコーヒーの知識を深める情報をまとめました。
【知識1】世界第3位の生産量を誇るコロンビア
世界第3位のコーヒー生産量を誇るコロンビア。(ちなみに1位はブラジル、2位はベトナム)
2013年度のコロンビアが輸出したコーヒー豆は約65万トンにものぼります。
コロンビア国内コーヒーでの栽培が行われているのは32県のうち20県588もの地域に渡り、コーヒー農家の数はおよそ55万4千件。
コロンビアの人口は約4900万人。そのうち就業人口の4分の1となる約200万人が、なんらかの形でコーヒーに関連する職業に就いていると報告されています。
これらのことから、コーヒー産業がコロンビアにとって非常に重要であると共に生産量世界第3位を誇るコーヒー生産大国だということが分かりますね。
【知識2】コロンビアとはどんな国?
南アメリカにあるコロンビアの正式名称は「コロンビア共和国」。約800万人が暮らす首都「ボゴダ」は標高2600mの地点に位置しています。
国の総面積は約114万平方キロメートルと日本の約3倍の広さを持ちますが、人口は約4900万人(2016年度)と少なめです。
基本的に熱帯性気候となるコロンビアは西側の太平洋側はアンデス山脈が連なる高地、東側はアマゾンの熱帯雨林地域というように場所によって気候が大きく異なります。
コーヒー生産に力を入れているコロンビアですが、農業面ではサトウキビや花き栽培による切り花の出荷なども盛んですよ。
また、鉱業においてエメラルドの産出量が非常に多く、コロンビア産のエメラルドは世界市場の80%を占めています。
なお、コロンビアは長い間、内戦により国内情勢が不安定でありましたが2016年の内戦終結の発表により落ち着きを取り戻しつつあると言われていますよ。
今後は観光業が盛んになると期待されているコロンビア。
地域によって植生が多様で豊かなことを活かしたエコ・ツーリズムや、ビーチリゾートとしてカリブ海岸のカルタヘナなどが観光客に人気です。
2011年にはコロンビア国内のコーヒー栽培が盛んな3地域が「コーヒー生産地の文化的景観」として世界文化遺産に登録されました。
コーヒー生産大国のコロンビアらしい、この世界遺産が観光業にさらなる恩恵を得られると考えられているようです。
【知識3】コーヒー栽培に相応しい地域環境
コーヒーの栽培の成功には気候や土壌などの諸条件が大きく関わってきます。
コーヒー生産大国であるコロンビアは、以下のようなコーヒー栽培に適した地域環境を有していますよ。
昼夜で大きく変化する気温差
コロンビア高地の昼は暖かく夜は涼しいという寒暖差のある気候は、コーヒー豆をじっくりと生育させるのに適しています。
昼夜で大きく気温が変化することでコーヒーの実(コーヒーチェリー)にストレスが与えられ、それによって糖分の生成が促されることでコーヒーの実の甘みが強くなるのです。
火山灰を多く含む豊かな土壌
コロンビアのコーヒー栽培地の土壌には、植物を育てるために必要な窒素やカリウム、リンを有する火山灰が含まれています。
また、その柔らかな土質はコーヒーノキが根を張りやすく水はけが良いという利点もありますよ。
さらに、火山灰に含まれた硫黄の香りがコーヒー豆に独特の風味を与えてくれるのです。
乾季と雨季の良好なバランス
コーヒー豆栽培において水分と日光のバランスは非常に重要です。
コロンビアの主なコーヒー豆栽培地である高地は、雨季と乾季がはっきりと分かれている土地になります。
そのため、雨季に適度な量の水分を得ることができます。
その後にやってくる乾季で日の光を十分に浴びることでコーヒーの実がしっかりと生育し熟することができるのです。
なお、コロンビア中部地域では雨季と乾季が地域で点在するため、1年間に2回のコーヒー豆収穫ができるという特徴もありますよ。
【知識4】コロンビアコーヒーの歴史
コロンビアの国を代表する産業となったコーヒー栽培。
その起源となるコーヒーノキはエチオピアから渡ってきたと言われていますが正確な年代はわかっていません。
しかし、18世紀初頭にはコロンビア国内にあるキリスト教修道院に植えられたと言われていますよ。
その後、本格的なコーヒー栽培が始まり19世紀初めに輸出が開始されます。
1927年にコロンビアコーヒーの品質管理や栽培の支援を目的とした「FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)」が設立。
このFNCによってコロンビアのコーヒーの品質が格段に向上したと言われています。
こうして現在のコロンビアは、世界的に有名なコーヒー生産地となったのです。
【知識5】栽培品種はすべてアラビカ種
コロンビアで栽培されているコーヒーはすべて「アラビカ種」で、そのうち「バリエダコロンビア種」と「カトゥーラ種」の2種が総生産量の9割を占めます。
バリエダコロンビア種は、アラビカ種とロブスタ種を交配させた品種改良によって生み出された新しい品種。
アラビカ種の純朴に比べると香りが弱く苦みが強いと言われますが、病気や霜などの気象条件に強くて収穫量が多いのが特徴です。
安定した利益を上げやすいバリエダコロンビア種は、コロンビア国内の多くの小規模なコーヒー農家で栽培されていますよ。
【知識6】コーヒー豆の大きさによって等級付け
コロンビアの輸出用コーヒー豆の品質保持やコーヒー栽培の支援を目的とした「FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会」。
コロンビアコーヒーの等級付けも、このFNCの関連会社である「アルマカフェ(ALMACAFÉ)」によって行われています。
コロンビアコーヒーは以下のような豆の大きさ(単位:スクリーン)で等級分けされ、サイズによって「スプレモ」「エキセルソ」と呼ばれていますよ。
なお、スクリーン13以下のコーヒー豆は国内流通のみとなり海外に出荷はされません。
また、「エメラルドマウンテン」は豆の大きさだけではなく味わいなどの評価を受けた極少数の豆だけに、その名前が与えられます。
- 最高級豆:エメラルドマウンテン
- スクリーン17(6.75mm以上)以上:スプレモ(SP)
- スクリーン14~16(5.5mm〜6.5mm):エキセルソ(EX)
- スクリーン13(5mm未満)以下:国内流通品
【知識7】FNCが認定する「エメラルドマウンテン」
上でコロンビアコーヒーの等級付けについて触れましたが、豆の大きさだけではなく味わいも吟味したうえで最高級の評価を得たコーヒー豆が「エメラルドマウンテン」です。
日本では「エメマン」として缶コーヒーのCMにもなっているので、知名度の高いコーヒー豆の名前ではないでしょうか。
コーヒー豆の等級付けの審査は上にも書いたようにFNCの関連会社のアルマカフェによって等級が付けられています。
しかし、エメラルドマウンテンだけはFNCによって粒の大きさ、粒の揃い方、香り・酸味・コクなどの味わいが基準に達しているか厳密に審査されるのです。
そんなFNCの妥協を許さない厳しい審査をクリアしエメラルドマウンテンの名前が与えられるのは、コロンビア国内で生産されたすべてのコーヒー豆のうちわずか3%。
コーヒー豆の出来の悪い年などは、2%や1%の時もあるのだとか。
甘い香りとフルーティな酸味に加え深いコクを併せ持つ、まさに宝石とも言えるエメラルドマウンテン。
他のコロンビアのコーヒーとは一線を画す最高峰であり非常に希少であることが分かりますね。
コロンビアコーヒーの3つの生産地域と味わいの特徴
95%は雑味が少ないクリアな味わいと言われるコロンビアコーヒーですが、香りや酸味やコクは生産地によって多様性がありますよ。
コロンビアでのコーヒーの生産地は、大きく3つの地域に分けることができます。
簡単に、それぞれの生産地域の特徴と収穫されたコーヒー豆の味を紹介しましょう。
【地域1】北部:ノルテ・デ・サンタンデールなど
北部のコーヒー栽培は標高が低く気温が高い土地で行われます。
そのため、コーヒーに直射日光が当たらないよう土地に段差をつけ日陰を作るという工夫がされていますよ。
北部で採れるコーヒー豆の味は、3つの地域の中では一番苦味が強くしっかりしたコクと柔らかな酸味、チョコレートのような香りが特徴です。
【地域2】中部:アンティオキアなど
雨季と乾季が点在する中部地方は春と秋、年2回のコーヒー豆の収穫が可能です。
中部で採れるコーヒー豆は、酸味と苦味のバランスのとれた味わいに加えハーブを思わせるような香りを持ちます
【地域3】南部:ナリーニョ、カウカなど
コロンビア南部は赤道に近く気温が高いため、コーヒーの栽培は気温の低い高地で行われます。
南部で採れるコーヒー豆は、苦味は弱くキレのある強い酸味と柑橘系フルーツのような甘い香りが特徴です。
コロンビアコーヒーを美味しく飲む4つのコツ
日本でも入手しやすく人気の高いコロンビアコーヒーを自宅でより美味しく飲むためのコツをまとめました。
【コツ1】焙煎度は中煎り程度がおすすめ
生産地によって味わいに違いがあるコロンビアコーヒーですが、全体的に苦みと酸味のバランスがとれたマイルドでクリアな味わいが特徴です。
このバランスの良さを活かすには、中煎り(ミディアムロースト~フルシティロースト)程度の焙煎度がおすすめですよ。
【コツ2】キレを生かしたブラックかアメリカンで
味のバランスが取れたコロンビアコーヒーはミルクなどを加えるアレンジコーヒーよりも、ブラックで飲むことで豆そのものの味が際立ちます。
コーヒー豆の量を少な目にして多めのお湯で抽出したアメリカンコーヒーでキレのある酸味を楽しむのもおすすめです。
アメリカンコーヒーについては、こちらの記事でくわしく紹介しています>>アメリカンコーヒーを徹底解説!アメリカーノやブレンドとの違いとは
【コツ3】素早い抽出ですっきりとした味わい
雑味の少ないコロンビアコーヒー。できるだけ素早く抽出を行うことで、よりクリアですっきりとした味わい楽しめます。
ドリップ時にお湯を早めに注いだり、3つ穴のドリッパーを使用すると良いでしょう。
【コツ4】ナッツ類を使用したスイーツと好相性
すっきりとしたキレのある味わいが特徴のコロンビアコーヒーは、ナッツを使ったスイーツがぴったり。
ナッツがたっぷり入ったミルクチョコレートやクッキーなどがおすすめです。
まとめ
ほどよい酸味とまろやかなコクと甘みが特徴のコロンビアコーヒー。
マイルドで飲みやすいコロンビアコーヒーを楽しむには、中煎り程度に焙煎した豆をブラックで飲むのがおすすめです。
ナッツ類のスイーツをお供に楽しんでくださいね。
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