観葉植物を枯らさない水やりの方法とは?注意点4選と留守中の対処法

観葉植物にとって水やりはとても重要なメンテナンスになります。
少なくても多くても枯れてしまいますし、季節によっても調整が必要です。
購入したときのアドバイス通りに水やりをしていたのに枯れた…、ネットで調べた通りにしていたのに弱ってきた…そんなときに見直せる水やりの基本を詳しく解説していきます。
さらに、旅行や出張などまとまった日数留守にするときは、とても心配になりますよね。
そこで、「いえじかん」が数日家を空けるときの水やり方法も併せて解説していきます。
植物と水のメソッドをマスターしよう
人にとって水が重要なのと同様に、植物にとっても水は非常に重要になります。
まずは、植物と水の関係性をみてみましょう。
植物に水が必要な理由
人の体は60%~70%が水といわれ、植物は90%が水でできているとされています。
植物の細胞は水分を多く含み、みずみずしい葉や茎、根を作り出しています。
水が足りなくなると、ハリがなくなったりしわしわとしおれてしまうのは、体の中の水が足りないサインです。
もう一つ、植物にとって水が重要な理由は、植物が生きていくための栄養素を作るためには水分が欠かせないという点です。
光合成をしてでんぷんを作りながら生育しているのですが、その原料になるのは水と二酸化炭素になります。
植物が水を吸い上げる仕組み
植物は、小さなサイズでも大木でも等しく水が必要です。
植物が水を吸い上げるのに重要な役割を果たすのが、根になります。
根は株の中心に生え一番太い主根、そこから分かれた側根、その先の細い根を根毛といい、ひげ根と呼ばれるものです。
この根は、細胞の中に糖分やナトリウムなどを取り込み浸透圧が高い作りになっています。この浸透圧で根は水を吸い込んでいる仕組みです。
さらに、根には根圧といい、吸った水を押し上げる力があります。
私たちにとって地中で目に見えない根ですが、美しい葉や株姿を支えている重要な器官です。正しい水やりで、元気な根をキープしていきましょう。
水やりの最適なタイミングを見分ける方法3選
植物にとっての食事の一つが「水」です。
タイミングを見極めるポイントを3つ、チェックしてみましょう。
【その1】鉢の大きさから判断
まずは、鉢の大きさです。
鉢が大きいほど中に多くの土が入っています。
また、フォルムが丸いものやツボ状のもの、スクエアの鉢も土の容量が多くなりがちです。
土の量が多くなると、その分水分を多く含み蒸発する時間が遅くなります。
小さな手のひらサイズの鉢の場合は、水分の蒸発が早くなるでしょう。
一方リビングなどにシンボルツリーのように置く、大きな鉢は水分の蒸発は遅くなります。
【その2】土の乾き具合を確認
水やりのタイミングをつかむためには、直接土の状態を確認することは必要不可欠です。ウッドチップやストーンでカバーをしている場合は、除けてから土の状態を確認します。
基本は土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげます。
サンセベリアなど乾燥が好きな種類のものは、その状態から数日乾燥が進むのを待ちましょう。
【その3】葉の状態をチェック
葉が垂れてきたり、しわが寄ってきたら水をやるというのは間違いです。
葉に症状が出たときは水不足による大きな影響をすでに受けてしまった後になります。
そのタイミングで水をやり復活するものもありますが、水を吸い上げる力が弱まっているとそのまま枯れてしまいます。
常に葉がいきいきと元気な状態をキープしましょう。
正しい水やりの方法3選
水やりは植物の基本のメンテナンスになります。
作業しやすいように鉢や置き場所を工夫することが必要です。
【その1】底穴から水が出せる環境で
鉢の底には水が排出できるよう穴が開いている仕様のものが多くあります。
水やりの基本は、底から水が出てくるまでたっぷりとあげます。
お部屋で管理する場合は、鉢皿を使用すると便利です。
陶器鉢の場合はデザインに合った皿がついている場合もありますが、プラスチックの鉢の場合は別に購入が必要なこともあります。
浅い皿と深い皿の2種類があり、植物の種類やライフスタイルによって使い分けます。
例えば、頻繁に不在が続く場合は鉢皿に水をためておいて乾燥を防ぐ方法などもあるので、深い皿が向いているといえるでしょう。
お部屋の中で上げるのが難しい場合は、庭やベランダで水やりを行うようにしてください。
【その2】たっぷりと水を与える
少量づつ水をあげることは植物にとっては良くありません。
- 水を求めて根が上がってくる
- 土が十分に乾燥しない
- 土の中の汚れが流れ出ない
このような点が問題となってきます。
特に、土の中の汚れや老廃物を一緒に押し流す作用がある点は、とても大切なポイントです。
【その3】葉水を与える
品種によっては、葉水が大きな効果をもたらします。
葉の表面温度を安定させ、細胞を活性化してくれます。
また、常には水を与えることできれいに保っていれば病害虫のリスクの軽減にもなるので、葉水はとても重要です。
観葉植物を枯らさないための注意点4選
植物を育てていると、元気がなくなった、枯れてしまったというトラブルはたまに発生します。
その要因の一つが水やりの管理です。
枯らさないための注意点をチェックしてみましょう。
【その1】受け皿に水を溜めない
毎日の管理では、受け皿に水を溜めないことが基本です。
水が溜まっていると、その水を鉢の中の土が吸い上げ、いつまでもじめじめとした環境を作り、根腐れを起こします。
また、観葉植物を長く育てていると、小さな羽虫が飛んでいるのを経験した方も多いかと思います。
皿に溜まった水を捨てずに放置しておくと、虫の発生の原因にもなり、非常に不衛生です。
【その2】水を与えすぎない
観葉植物は徐々に生長していく姿がとてもかわいらしいものです。
ついつい大切にしすぎて、頻繁に水をあげてしまうのは、弱らせてしまう原因になります。
土の中が多湿になると根が呼吸できなくなり、根腐れが起こります。
根が黒くなり腐ってしまうと、その根を再生するのは非常に困難です。
土が乾くと植物が枯れてしまうのではないかと心配される方もいらっしゃいます。
しかし、シダ類など一部の品種を除けば、土はしっかり乾燥させ、たっぷりと水をやるというサイクルを実践しましょう。
【その3】夏場は時間帯に注意
最近では、梅雨が明けてから秋まで、気温がとても高くなることが多くなりました。
6月~9月の暑いシーズンは朝の9時ごろまでには水やりを終えておきましょう。
または、気温の落ち着く18時以降に水をやります。
気温が高い時間帯では、水を含んだ鉢の中が温まり、根にダメージを与えることがあります。
特に、直射日光が当たる窓際に置いている場合や、日当たりの良いテラスやベランダで育てている場合も水やりの時間帯に注意が必要です。
直射日光あたる時間帯に水やりを行うと、鉢の中の水分があっという間に蒸発します。
その熱によって蒸れた環境を引き起こし、葉が焼ける、株が弱るという症状が起こることがあります。
明るい環境なので、ついつい窓際に置いてメンテナンスしがちですが、夏に突然すべての鉢が弱っていくのは、このような原因があるかもしれません。
【その4】冬場は頻度に注意
多くの観葉植物は、暖かい時期に生長します。
一方、冬は休眠期となります。
観葉植物のほとんどの原産地は熱帯や亜熱帯、暖かい地域です。
気温が低くなると活動を生長が緩やか、またはストップしとても少ない水分で過ごします。そのため、寒い時期に生長期と同じように水やりをしてしまうと、根腐れの原因となるので注意が必要です。
しかし、観葉植物を室内で育てていると、冬はエアコンや暖房をつけているので部屋の中が暖かい場合があります。
一方、日差しは弱く冬の合図を植物に送っています。
冬場でも休眠せず新芽が出たりする現象は、室内の観葉植物独特の勘違いによるものです。
植物のホルモンバランスが崩れ、勘違いが起きないよう、室内の温度が高く土は乾きがちですがしっかり乾いてから水やりを行うようにしてください。
旅行や留守中の水やり対処法3選
観葉植物を育てている中で、困ってしまうのが長くお世話ができないタイミングができることです。
旅行や帰省、出張など、オフィスであればお盆休みや年末の休みの間、水やりやメンテナンスが非常に気なるところです。
留守中の水やりの基本についてマスターしてみましょう。
【その1】2〜3日間の場合
一般的な観葉植物の場合、2~3日であれば水やり不要です。
家を空ける前にたっぷりと水やりを行っておけば、そこまで心配はいりません。
【その2】約5日間の場合
5日ほど空けるのであれば、少々工夫が必要です。
暖かい時期であれば、水が切れてカラカラになるようなことを避けなければなりません。
また、鉢の大きさによっても変わります。
大きな場合は土の容量が大きいので、水分の蒸発は抑えられるでしょう。
しかし、土の容量が少ない小さな鉢は、乾きが早いので、鉢皿に水を引いて日陰に置く、給水機を使うなどの工夫が必要です。
土の水の蒸発を抑えたい場合は、ミズゴケが便利です。
100均などでも販売されているので簡単に入手できます。
水をたっぷり含ませ膨らませてから、鉢の土の表面に敷いておきます。
敷いた後は、直射日光を避けた日陰に移動して蒸れないようにします。
【その3】約1週間の場合
1週間以上空ける場合は、できるだけグリーンショップなどに預けてください。
特に、温室がある、温室と提携しているのであれば安心です。
しかし、急な出張などの場合は、応急処置的に土が乾燥しないようにできることがあります。
100均やホームセンターに、ペットボトルに取り付けるタイプの給水キャップが販売されています。
ゆっくりと水をしみこませ、乾燥を防いでくれます。
長くメンテナンスができない場合、戻ってきてからのメンテナンスがとても重要です。
まず、土がどのくらい水分を吸っているか必ず確認をしてください。
給水装置や季節の関係で全く乾いていないのに水をあげてしまうと加湿になってしまいます。
実際に触ることと、インジケーターの利用が効果的ですが、ない場合は竹串や割りばしを土の中まで刺し、しばらくしてから抜いて湿っているかどうか確認してください。
まとめ
水やりは植物によって量やタイミングを工夫しながら与えなければなりません。
最初は慣れなくても、上手に水やりをできるようになり植物が生長してくれるととてもうれしいものです。焦らずじっくりマスターしていきましょう。
水やりがどうしてもむずかしいようなら、光触媒加工の観葉植物なら見た目も悪くなく便利ですよ。
くわしくはこちらの記事をご覧ください>>水やりも不要!光触媒の観葉植物は4大効果を発揮するインテリア