伝統的な手法で楽しむベトナムコーヒーとは?抽出から飲み方まで解説

伝統的な手法で楽しむベトナムコーヒーとは?抽出から飲み方まで解説

ベトナムコーヒーは、ロブスタ種の豆を美味しく飲むために編み出されたベトナム独特のコーヒーの飲み方です。

その大きな特徴は、ベトナム式フィルターでじっくり抽出した苦味の強いコーヒーにコンデンスミルクを加えて甘くすることにあります。

今回の「いえじかん」は、伝統的なベトナムコーヒーの淹れ方から飲み方までを詳しく紹介しますよ。同時に、あまり知られていないベトナムのコーヒー事情もまとめました。

自宅で楽しむベトナムコーヒー。ぜひ、お試しくださいね。

ベトナムコーヒーにまつわる5つの知識

ベトナムコーヒー 知識

日本では知名度が高くないベトナムコーヒーですが、独特の魅力を持っています。
ここでは、ベトナムコーヒーにまつわる特徴や知識を紹介します。

【知識1】ベトナムはコーヒー豆の生産量世界第2位

コーヒーと聞くとブラジルやコロンビアといった南米産のものが思い浮かびますね。
確かにコーヒー生産量世界第1位はブラジルで市場シェア率は33.1%となっています。

市場の三分の一を占めるブラジルに次いでコーヒー生産量世界第2位なのが、今回紹介するベトナムで市場シェア率は15.2%もありますよ。

ところが、生産量のわりにベトナム産のコーヒーの知名度は高くありません。なぜなのでしょうか?
その理由はベトナムで生産されているコーヒー豆の品種が関係しているのです。

【知識2】生産されている豆はほぼロブスタ種

生産 豆 ロブスタ種

ベトナムコーヒーの知名度が低い理由。それは、ベトナムで生産されているコーヒー豆の多くがロブスタ種だからなのです。

現在、市場でレギュラーコーヒーとして販売されている豆のほとんどは、栽培に手間がかかるかわりに良い味と香りを持つアラビカ種のコーヒー豆となります。

ベトナムで多く生産されているロブスタ種はアラビカ種より栽培が容易。病気や害虫にも強い品種であるため管理がしやすく生産量が多いというメリットがあります。

しかし、ロブスタ種の豆はアラビカ種に比べてカフェイン含有量が約2倍で味も苦いことから、単体でレギュラーコーヒーとして市場にはあまり出回りません。

ロブスタ種のコーヒー豆の多くは、インスタントコーヒーや缶コーヒーなど加工品の原料や安価なブレンドコーヒーの嵩増しとして使われているため、産地が表に出にくいというデメリットがあります。

以上が、生産量世界第2位でありながらベトナム産コーヒーの知名度が低い理由なのです。

【知識3】焙煎時にフレーバーを付けた豆も多い

アラビカ種に比べて苦味が強いロブスタ種のコーヒー豆。ベトナムではロブスタ種のコーヒー豆を美味しく飲むために様々な工夫がされています。

その一つが、豆に各種フレーバーをつけることです。
チョコレートやバニラといったフレーバーもありますが、ベトナムでポピュラーなのが “バター焙煎” されたコーヒー。

バター焙煎は名前の通り焙煎直後にバターを加えたもの。バターの香りとコクが加わることで、ロブスタ種のコーヒー豆の風味が良くなるというメリットがあります。

日本では珍しいですがベトナムでは普通にスーパーで購入できることから、お土産にされることも多いそうですよ。

【知識4】ベトナム式のフィルターを使った抽出

ベトナム式 フィルター 抽出

ベトナムコーヒーを淹れるには金属性(陶製も有り)のベトナム式フィルターを使います。これは3つの部分に分かれたフィルターを組み合わせて使う独特なもので、時間をかけてじっくりとコーヒーを抽出することができるのです。

通常のハンドドリップやコーヒーメーカーでも入れることはできますが、できればベトナム式のフィルターでじっくりと抽出したコーヒーを味わって欲しいところ。
詳しい淹れ方を下で紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

【知識5】試行錯誤で生まれた独自の飲み方

アラビカ種よりも苦味が強く酸味の少ないロブスタ種のコーヒー豆。そのままでは飲みにくいコーヒーをどうしたら美味しく飲めるのかベトナムの人は試行錯誤したそうです。

そして、 “コンデンスミルク(練乳)を加えることで味を甘くマイルドにする” という独自の飲み方が編み出されました。

酸味が少なくきりっとしたコーヒーの苦さにコンデンスミルクの優しい甘さが加わって、とてもほっとする味に仕上がっています。

淹れ方も独特で、器にあらかじめコンデンスミルクを入れておき、その上にベトナム式フィルターをセットしてコーヒーを落としていくという形。

ちなみに、昔のベトナムでは新鮮な牛乳が手に入りにくく常温で保存できるコンデンスミルクが使われたのが今日に受け継がれているのだとか。

このコンデンスミルクを使ったベトナムコーヒーは多くの人に受け入れられて、 “ ベトナムコーヒー=ベトナム式フィルターを使ってコンデンスミルクを混ぜた甘いコーヒー” と言われるほどポピュラーな飲み方となりました。

ベトナムコーヒーを淹れるために用意する4つのもの

ベトナムコーヒー 淹れる 用意

本格的なベトナムコーヒーを淹れるために必要なものをまとめました。
中でも、ぜひ用意して欲しいのが ベトナム式フィルター です。

一般的なハンドドリップでもベトナムコーヒーを入れることができますが、この特別な器具を1つ用意するだけで味も気分もぐっとベトナムに近づけるので、ぜひ用意してくださいね。

【その1】ベトナム式フィルター

ベトナムコーヒーを淹れるのになくてはならないものの1つがベトナム式フィルターです 。
ベトナム式フィルターは、直接カップの上にセットして使うドリッパーの役割を持ち、種類は金属製のものほとんどですが陶製のものも販売されていますよ。

ベトナム式フィルターの特徴は3つのドリッパー部分を組み合わせて使うことで、これは素材関係なくほぼ同じです。
使い方については下で詳しく解説するので、ここでは構造だけ説明します。

  • 受け皿:カップに乗せて使用します。底に細かい穴が多数あります。
  • 筒状の部分:コーヒー粉を入れ、受け皿の上に(これも底に穴がたくさんあります)にセットします。
  • 中蓋:中蓋にも穴が開いています。コーヒー粉の上に乗せ(ねじこみ式の場合は締める)粉の浮きを防ぎます。

以上がドリッパーとなる部分の構造で、これに蓋が付いているのが一般的です。
ここでは、日本でも手軽に購入できるベトナム式フィルター2種類を紹介します。

アルミ製|粉を押さえるタイプ

ベトナムコーヒーのアルミ製フィルターについて紹介します。

まず1つ目のフィルターはアルミ製で、ベトナムでもポピュラーなものです。
アルミ製のフィルターは、ステンレス製に比べて軽くて扱いやすく安価なのが魅力です。

ベトナム式フィルターは中蓋をコーヒー粉の上に乗せることで粉が浮いてくるのを押さえますがアルミ製の場合、中蓋が軽すぎると浮いてしまうこともあるので気をつけましょう。

ステンレス製|中蓋をねじ込むタイプ

ベトナムコーヒーのステンレス製フィルターについて紹介します。

ステンレス製のフィルターはアルミ製のものより価格が高めになりますが丈夫な作りになっています。

また、ステンレス製には中蓋をねじ込むタイプのフィルターもあります。コーヒーの粉をしっかりと押さえることができますよ。ただし、あまりきつく締めすぎると抽出に時間がかかるので注意してください。

【その2】グラス

ベトナムコーヒーの器は、ガラス製のグラスを使うのが本場式。
陶製のカップでも問題ありませんがコンデンスミルクの白色と、その上に徐々に落ちるコーヒーの色のコントラストを楽しむならグラスがおすすめです。

コンデンスミルクとコーヒーの混ぜ具合を確かめる意味でもグラスが便利ですが、必ず耐熱性のものを使いましょう

【その3】コーヒー粉

ベトナム式フィルターでコーヒーを淹れる場合は、深煎り(フレンチロースト)豆を中挽き程度にしたものを使用します。

中挽きより豆が細かいと味が苦くなり、抽出液に粉が混じって口当たりが悪くなってしまいます。逆に粗いと、コーヒーの成分が十分に抽出されません。

また、深煎りにすることでベトナムコーヒーの苦味をさらに引き出します。この強い苦味がコンデンスミルクとの相性が抜群なのです。

【その4】コンデンスミルク

ベトナムコーヒーに欠かせないコンデンスミルク。
コンデンスミルクはコーヒーを淹れる前にグラスに入れておき、その上から直接コーヒーを落とすのがベトナムコーヒーの特徴です。

ベトナムコーヒーを美味しく淹れる方法6ステップ

ベトナムコーヒーを美味しく入れるコツを紹介します。

ここでは、ベトナムコーヒーを美味しく淹れるための手順を詳しく解説します。
手順と言っても難しい作業はないので気軽に試してみてくださいね。

【ステップ1】グラスにコンデンスミルクを入れる

コーヒーを注ぐ前にコンデンスミルクをグラスに入れておきます。量は、小さじで1~3杯程度を目安にお好みで増減してください。

【ステップ2】フィルターにコーヒー粉を入れる

中蓋を外した状態で、筒状のフィルター部分にコーヒー粉を入れ、軽くゆすって表面を平らにならします。量は12~15gを目安に好みで増減してください。

【ステップ3】内蓋で粉を押さえる

コーヒー粉を押さえるために、粉の上に中蓋を乗せます(ねじ込み式の場合は締める)
中蓋が浮いてしまう場合は、軽く押し付けるように中蓋を乗せましょう。
ねじ込み式の場合は、適度にねじを締めてください。

【ステップ4】少量のお湯を注いで蒸らす

少量のお湯を注いで、30秒ほど粉を蒸らします。蓋はしてもしなくてもかまいません。

【ステップ5】残りのお湯を注いで抽出を待つ

残りのお湯を一気に注ぎ蓋をします。
お湯の量は120cc程度が適量ですが、中蓋の先端辺りまでを目安にお湯を注ぐとちょうど良い量になります。

やがて、ぽたりぽたりとコーヒー液が落ちてきます。抽出完了には3~5分かかるので、じっくりと待ちましょう。

【ステップ6】フィルターを取って混ぜたら完成

グラスから受け皿ごとフィルターを取り除きます。この時、裏返した蓋の上にフィルターを乗せるとテーブルが汚れませんよ。

グラスの中身をよくかき混ぜたら、ベトナムコーヒーの完成です。ほろ苦く甘い味を楽しみましょう。

アイスコーヒーで飲みたい場合は…

アイスコーヒー 飲みたい 場合

アイスで飲みたい場合は、あらかじめ氷を入れたグラスを別に用意しておき、上記手順で淹れたコーヒーを注ぎます。さらに氷を追加してもOKです。
氷で薄まる場合を考えて、心持ち濃い目にコーヒーを淹れると良いですね。

失敗しないために知っておきたい2つのポイント

失敗しない 知っておきたい ポイント

次の2つのポイントに注意することで、失敗なく美味しいベトナムコーヒーを淹れることができますよ。

【ポイント1】抽出時間は粉の粒度によって変化

コーヒーを濃く淹れる場合は豆を細挽きにするのが一般的ですが、ベトナム式フィルターは穴を開けただけの構造になっているため細挽きだとフィルターが目詰まりし抽出に時間がかかってしまいますし、コーヒーが濃くなりすぎてしまいます。

また、コーヒー粉が細かすぎると抽出されたコーヒー液に粉が混じり、口当たりが悪くなってしまうのです。

逆に、粗挽きの豆の場合はコーヒーの成分が十分に抽出される前に落ちきってしまうためコーヒーの旨味を味わえません。

これらの理由から、ベトナムコーヒーを淹れる際は中挽き程度のコーヒー豆がおすすめです。

【ポイント2】中蓋の押さえ具合に注意

ベトナム式フィルターの中蓋には、コーヒー豆が浮くのを押さえる役割があります。
中蓋で粉を押さえることで抽出時間をコントロールするのと同時に、グラスの中に粉が落ちるのを防ぐことができるのです。

この中蓋が軽すぎたり、ねじ込み式の締め方が緩いとコーヒーの粉が浮いてしまいグラスの中に落ちてしまいます。
また、抽出時間が短くなるため成分が十分にでないことも考えられます。

中蓋が浮いてしまうようであれば、粉に押し付けるように乗せることで中蓋が浮くのが防げます。
ねじ込み式の場合は、きつく締めすぎると抽出に時間がかかってしまうため適度に締めると良いですね。

まとめ

ロブスタ種の豆を美味しく飲むために考えられたベトナムコーヒーの特徴は、ベトナム式フィルターで抽出したコーヒーにコンデンスミルクを加え甘くすることにあります。
ベトナムコーヒー独特の苦みと甘みを楽しんでくださいね。

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